普通の主婦やOLが趣味で手作り品を作る。
そうしたハンドメイドが、作ることを楽しむ趣味としてだけでなく、ハンドメイドマーケットプレイスの登場により「誰でも」「簡単に」「気軽に」販売できるようになったことで、ハンドメイド人口は1000万人を超えるほど爆発的に増加しました。
また、ハンドメイド市場の規模も年々拡大しており、ハンドメイド業界の魅力はどんどん増してきています。
ハンドメイド作家になるための必要な資格はない
「ハンドメイド作家」になるために特別な資格は必要ありません。例えば、弁護士のように司法試験に合格しなければならない、といったことはないということです。
お客様が求めるニーズを汲み取り、アイデアの段階からオリジナルの商品として完成させ販売する。
この一連の活動ができれば、「ハンドメイド作家」と名乗ることができます。
ここで大切なのは「販売」している点。
つまり、友だちにプレゼントしているわけではありません。無料でプレゼントしている段階は、趣味の範疇です。
最終的に売ってお金をもらうための制作はまったく別の次元です。
販売商品を作ることは「アート(芸術)」とは異なります。
独りよがりの作品作りに没頭するのではなく、商品としての価値を届けていく「プロ」のハンドメイド作家を目指してください。
ひとつずつ積み重ねる
売れっ子ハンドメイド作家になるためには、ひとつずつ積み重ねていくことが全てです。
インターネットの発達によって、ハンドメイド作品を売るためのチャンスは飛躍的に拡大しました。
しかし、ネットショップやハンドメイドマーケットプレイスといった販売するサイトの形態を問わず、努力なくしてハンドメイド作家としての成功はありません。
ハンドメイド販売ガイド.comでは、ハンドメイド商品の開発から販売に至るまでのノウハウだけでなく、個人事業主としての開業の手順や確定申告の注意点などの事務的な知識についても解説しています。
どんな人であっても、やり始めの段階では"初心者"です。
また、人によって得意なことと不得意なことが違います。
一見すると難しそうに思えることでも、クラウド会計ソフトに代表されるインターネット上のサービスを使うことで、簡単かつ時間短縮で実現できる環境が整ってきています。
主婦の立場でも日常生活とのバランスを上手に取って、ハンドメイド作家として活躍している人も多くいます。
自分のペースでいいので、ひとつずつ着実に積み重ねていってください。
ハンドメイド作家として売上アップを目指す人、そしてハンドメイド作品の販売だけで生計を立てるという目標を持つ人のお役に立てれば、とてもうれしく思います。
ハンドメイド作家を始めるにあたっての手順
冒頭でも触れましたが、ハンドメイド作家になるための資格や免許は特にありません。
ハンドメイド作家という仕事は「ハンドメイド作家としてがんばる」という意志だけで始めることができます。
ただ、ハンドメイド作家として商品を販売することには、当然のように「お金」が絡んできます。
そして、収入が発生する以上、税金について無関心でいるわけにはいきません。
ハンドメイド作家を開業する場合、次の手順がおすすめです。
- 個人事業主として開業届の提出
- ハンドメイドマーケットサイトへの出品
- 確定申告に向けて会計ソフトの導入
順を追って説明していきます。詳細については個別の解説ページをあわせて参照してください。
個人事業主として開業届の提出
開業届は税務署に提出する書類のひとつで、正式名称は「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」となります。
個人事業の開業の際に必要となる手続きとして開業後1ヶ月以内の提出が義務付けられていますので、速やかに税務署に提出してください。
開業届の作成・提出について、多くの人が初めての経験となると思いますが、無料サービスの「開業freee」を使用することで開業書類を自動作成することができます。
税務署に足を運ぶ前に一度「開業freee」を試してみることをおすすめします。
ハンドメイドマーケットサイトへの出品
商品を販売するためにまず必要なことは、見込み客を探すことです。
身近な人に自分の商品を紹介することでも、購入してくれる人を探すことはできるかもしれません。ただし、このやり方では、商品を知ってくれる人の数に上限があります。
あなたのハンドメイド商品を知ってもらう上で、最も即効性のあることはハンドメイドマーケットサイトへ出品することです。
ハンドメイドマーケットサイトとは、ハンドメイド作品を買いたい人と売りたい人の集まるサイトです。
国内最大級のハンドメイドマーケットサイト「minne(ミンネ)」は積極的にTVCFの展開を行うなど、ユーザーの獲得に力を入れています。
ハンドメイドマーケットサイトに出品を行うことで、ハンドメイド作品の購入意欲を持つユーザーに自身の商品を知ってもらうことができるのです。
集客力や使い勝手を考えて、まずはじめにminneへの出品を行ってみましょう。
確定申告に向けて会計ソフトの導入
個人事業主はサラリーマンと違って自分で所得を計算して税務署に申告する必要があります。
支払う所得税額を決定する申告手続が「確定申告」と呼ばれているものです。
そのとき主婦にとって敏感になるものが、夫の社会保険の扶養条件。
個人事業主としてハンドメイド販売に取り組んでいる主婦の場合、パートタイマーのときのように「103万円の壁」ではなく「130万円」が基準となります。
主婦の方は注意してください。
また、確定申告に向けた準備の一環として、プライベート用と事業用とで分けるべきものが2つあります。
銀行口座には、ネットバンキングの楽天銀行が特におすすめです。記帳のために銀行に行く必要がなく、PCやスマホアプリで残高照会や振込を簡単に行うことが可能です。
楽天銀行口座をおすすめする理由のひとつに、同時にデビットカードを作成できる点があります。入会審査不要で決済用クレジットカードが作れるので先に作っておいた方がいいでしょう。
楽天銀行であれば、クラウド会計ソフトへのデータ取り込みも楽に行なえますよ。
そして、イチオシのクラウド会計ソフトは「freee」です。無料のお試し期間も用意されているので、まずは使ってみてください。
ハンドメイド作家がよく使う勘定科目と仕訳の具体例の解説も合わせて参照してください。
自分自身のブランド力を高めていく
ハンドメイド作家になった瞬間から意識しておきたいことがあります。
それは『ハンドメイド作家として自分自身のブランド力を上げていく』ことです。
ブランド力は、一朝一夕で上がるものではありません。
短期的に捉えると効果が見えにくいため、ブランドを育てることに対してモチベーションがなかなか上がらないかもしれません。
しかし、長期的に考えると、ブランディングを意識した活動は必ずプラスに働きます。
ハンドメイドマーケットプレイスに出品しただけでは、ブランド・屋号の世界観を充分に表現できません。
ブランディングにおすすめなのが、自分の「ホームページ」「ネットショップ」を持つことです。
自分のホームページやネットショップであれば、デザイン設定についてはもちろんのこと商品画像の枚数や商品説明文の文字数に対しても上限なく自由に登録することができます。
多くのハンドメイドマーケットプレイスでかけられている各種制限を気にすることなく、作家自身のブランドを自由に展開していくことが可能になります。
目指している将来像に向けて、「ホームページ」「ネットショップ」を開設し育てていくことをおすすめします。
チャンスを掴むためにも名刺・ショップカードを用意しておく
ハンドメイド作家として活動していると、さまざまな場面で人との出会いがあります。
出会いを次につなげるためにも大切になってくることは、やはり第一印象です。
会社員と同様にハンドメイド作家も名刺を持つことで、お互いの自己紹介がスムーズになります。
配布する名刺には、本名・住所を記載する必要はありません。
作家名といっしょに連絡先となるメールアドレスやminneのプロフィールページなど商品を閲覧できるサイトURLを記載しておきましょう。
個性あふれるおしゃれな名刺も、オンライン上のサービスから簡単に作成できますよ。
リアルイベントに出展することでキャリアアップ
すでにご紹介したハンドメイドマーケットプレイスは、日本全国のハンドメイド作品好きの人に広く知ってもらえることが最大のメリットでした。
ただ、ハンドメイドマーケットプレイスにも弱みがあります。それは、自分の目や耳でお客様の反応を直接感じ取れないことです。
もちろんお客様からいただくレビューによって、ハンドメイド作品の良い点や悪い点を客観的に知ることもできます。
しかし、お客様全員がレビューを書いてくれるわけではないですし、テキストから読み取れる情報も限られてきます。
したがって、ハンドメイド作家にも、対面でお客様と接する機会が必要なのです。
そこで、おすすめなのがイベントへの出展です。
ハンドメイドイベントの規模も大小様々あり、自分に合ったイベントに出展することが大切です。
Creemaが主催するハンドメイドインジャパンフェスといった大規模イベントに出展すると、多くのお客様と出会うことができます。
自身のハンドメイド作家としてのキャリアアップに、イベントへの出展を検討してみることもおすすめですよ。